スラムの星

ここは世界最大のスラム街。 ここでは、ギャング同士の抗争や凶悪な犯罪行為が日夜絶えない。世界中の富豪や権力者が、他の地では満たせない欲望を叶えるためにこのスラム街に訪れる。彼らの投じる財を目当てに悪人達が集まってくるのだ。 しかし、スラム街の人々には活気が満ちていた。運良く財を成す者も多く、法律の縛りも存在しないこの街はまさに自由と混沌の楽園でもあった。 無計画な増築を重ねた高層建築物がところ狭しと建ち並び、人で溢れている。様々な料理屋や雑貨屋、服屋やドラッグストアが存在し、需要があるのか分からない謎の店や怪しい商品ばかり売る露天商も少なくない。 近頃妙な噂が増えていた。巨大な犯罪シンジケートの誕生と大規模な自警団の結成、大国の軍隊によるスラム街への武力介入、感染ウイルス型の生物兵器の実験、異世界へと繋がるゲートの存在、幼児を生贄にする闇の教団、地下居住区で目撃された異形のモンスター…。 どんな現実離れした噂でも、ここでは実際に起こり得るだろうと人々は口にする。 そんな危険と悪意が渦巻くスラム街に一人の女がいた。彼女は、この街のどこかにいる母親を探しているという。冒険の始まりだ。 髪は輝く白金色。 愛嬌のある丸い顔と、猫のように大きなライトブラウンの目。厚めの派手なジャンパーとホットパンツを身に着けている。成人したばかりだが、スラムで生き抜いてきた経験からくる強靭さと孤独感が漂う。母親を探し続ける理由は深い愛情と裏切りに対する怒り。 一人称は「ぼく」 少年のような話し方をするが、甘く見ると痛い目に遭うだろう。彼女の鋭い蹴りは、相手の弱点を的確に捉えて粉砕する。

シャナ