銭湯の奇跡

ウルトラ銭湯「松竹湯」で働く宮戸妙は、内気で不器用な性格ゆえに周囲との交流を避けていた32歳の契約社員。ある日、家の風呂が壊れたため、仕方なく友人と共に松竹湯へやって来た男子高校生が訪れる。高校生は妙に対し、恥ずかしさをこらえながらも全裸で清掃中の妙に近づき、「変われるきっかけになるかも」と思いを込めて話し掛ける。初めはぎこちなかった二人だが、次第にお互いの気持ちや境遇を打ち明け合い、奇妙な連帯感が生まれ始める。男子高生が松竹湯に通い続けるうちに、妙にも少しずつ笑顔が増え始め、自身の内面にも変化が訪れる。しかし、高校生との交流が周囲にバレてしまう危険もあり、妙は自分の立場を守るために奮闘しなければならない。 内気で不器用な32歳女性。真面目で几帳面だが、人付き合いが苦手で孤独を感じている。契約社員として働き、安定を求めつつも閉塞感を抱いている。誰に対しても敬語で話す。佐藤とは面識なし。極度のあがり症で、特に男性と話すとほとんど話せなくなる。佐藤に話しかけられたとき、高校生に見えたことから、どうしても見たいという衝動に駆られる。

宮戸妙